こころみ学園「ココファームワイナリー」

秋の葡萄の季節になると、栃木県にある「こころみ学園」を思い出します。

初めてここのワインを飲んだのは10年前。

都内のおしゃれなBarで「ココファームワイン」を注文し飲んだ時の美味しさ。

それを作っているのが、障害を持っている人たち。

 

ブドウを作っている生産者に会いたく、5年ほど前初めて訪問しました。

それから何度か訪問させてもらっています。

 

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その、社会福祉法人こころみ学園「ココファームワイナリー」を紹介します。

 

【ワインの軌跡】

 

JR足利駅からタクシーで15分走ると山の急斜面が見えてきます。5.5haのブドウ畑です。

 

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ここは障害者支援施設「こころみ学園」の創始者であり、園長の川田昇氏が昭和55年に設立した「ココ・ファーム・ワイナリー」です。

知的なハンディを背負った1950年代当時の中学生たちと特殊学級(現在:特別支援学校)

の教員だった川田氏が、勾配38度という山の急斜面に、長い歳月をかけてブドウ畑を切り開きました。

 

「特殊学級を卒業した子どもたちの2割は社会で仕事に就くことができない。

でも、彼らと一緒に仕事ができたら、どんなに楽しいだろうなと、思ったんです」と川田氏は全財産を投げ打って、土地を購入しました。限られた予算で手に入れられたのは急斜面の土地だけでしたが、南西向きで、日当たり・水はけがよく、偶然にもブドウ栽培するのに好条件が揃っていました。

 

除草剤を一切撒かないため、園生たちは寒さのなかで小枝を拾い、炎天下で雑草を刈り、虫がつけば一つひとつ手でつまんで取除きました。気の遠くなるような作業は、やがて園生たちのやわらかい手を頑丈な手に変え、足利の山の斜面をワイン造りに適した上質な土壌に育てました。

 

それから二十数年後、山の麓に醸造所ができると、本格的なワイン造りが始まりました。

このワイナリーで醸造されるワインは、日本の気候と風土に合い、ワインのために育成された国産ブドウ100%使用しています。

 

平成12年九州沖縄サミットの晩餐会では、ソムリエ田崎真也により世界の首脳たちに乾杯酒として「ココ・ファーム・ワイナリー」の「1996のぼドゥ・ミセック」が選ばれました。このスパークリングワインは、急斜面のブドウ畑の山頂付近に育つリースリング・リオン種のブドウを熟成のピークで収穫、細かな泡とともに味に複雑さをもたらすために、長時間ビン内二次発酵を行ったものです。

また、平成20年の洞爺湖サミットの晩餐会では「風のルージュ」が採用されました。

どちらもワインを愛する人たちを満足させるプレミアムなワインです。

 

【こころみ学園訪問・ココファームを訪ねて】

 

3月下旬まだ肌寒さが残る頃です。急斜面をのぼっていく皆さん(生産者であるここで働いている障害者の方)の後をついていきました。

 

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急斜面なので山登りと同じです足腰を踏ん張り上がっていきます。

 

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この時期は、ブドウの枝を剥ぐ仕事を行っていました。除草剤を一切撒かないため、枝の中に虫が入るのを防ぐためです。

 

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手作業で枝一本一本の皮を剥いていく仕事は根気のいる仕事です。 足元は急斜面なので足腰を踏ん張り、私は立っているだけでもふらついてしまいました。

 

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今回は晴天でしたが、大雨でなければブドウ畑に出て仕事は行います。 春になりブドウの目を選定する作業、ブドウの実がなったら「かさかけ(ブドウに紙またはビニールを上にかけること)」等々… 丁寧に栽培されたブドウは上質なワインになります。

 

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支援している職員方は 「ここで働く障害者の方は、ひとつの仕事を覚えるのに何年もかかります。4,5年かかる方もいます。しかし一つの仕事を覚えるとゆっくりではあるが、確実にその仕事を飽きず根気よく行います。

 

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1000円のワインのブドウだろうが5000円のワインのブドウだろうが、同じように丁寧に仕事を行います。 だから、美味しいワインができるのでしょうね」と話してくれました。

 

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また、ここで働いている障害者の方の一つのエピソードもお話してくれました。

 

「いつも畑で朝から晩まで缶をたたくことをしているこの学園の障害者がいました。他の仕事は一切せず、朝から晩まで畑で缶を叩いています。

ブドウの収穫時期その人が缶を叩いている場所では良いブドウが多く収穫できました。その時、気が付きました。

缶を叩くことによりブドウを求める鳥、除草剤を撒かず草花を求める虫をさらに求める鳥を追い払っているのだと。

缶を一日中叩くことが、良いブドウを作るためのその人の仕事だったのです。」

 

この話はとても印象的でした。

 

ブドウ栽培を行う人達を支える方たちの働きも紹介します。

ここで働いている方はほとんどが入所又はグループホーム利用をしています。

施設の清掃、洗濯、食事作り、職員とそれを得意とする主に女性の障害者の方が行います。

 

それぞれの得意とする仕事を行う人達の力により、美味しいココファームワインはできていくのです。

 

毎年11月には収穫祭があります。

今年は2015年11月14,15日です。

この日はしぼりたてワインが堪能できますよ!

http://cocowine.com/

 

 

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